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事務所通信要約版

  事務所通信9月号要約版 

経営者マインドの維持には経営計画が必要

 経営には不安がつきものですが、企業が将来に向かって、経営ビジョンや目標を達成する経営計画があれば、そこへ向かって事業に取り組む意欲が湧いてきます。経営計画は、経営者マインドを維持するうえでも大切なものです。
 このような、将来の夢や目標を描いた計画のほか、会社が確保すべき利益を積み上げた計画、融資を受けるために自社の現状や将来性をディスクローズした計画、特例事業承継税制や早期経営改善計画などの申請に必要な計画など、経営計画は一つではなく、目的ごとに数種類の計画があっても良いものです。


国が進めるデジタル・ファーストで税務はどう変わる?

 税務行政のデジタル化に向けた仕組み作り進んでおり、今後10年で、税務申告手続きなどにおいて紙からデジタルへの動きが見通されています。個人の所得税関係では、年末調整での保険料控除や住宅ローン控除において、控除証明書が電子化され、従業員がネット環境を通じて会社へ提出可能になり、会社の事務負担が軽減されます。医療費控除やふるさと納税などの還付申告を、スマートフォン等からできるようになります。
 企業関係では、電子申告が大企業は100%化され、中小企業も将来の100%化に向け、当面は85%化(現行75%)を目指すとしています。消費税税率アップや軽減税率の導入に向け、電子帳簿化が推進されます。


期中に役員給与を減額せざるを得ないときの注意点

 定期同額給与や事前確定届出給与は、原則として、期中に減額した場合、全額又は一部が損金算入を認められません。ただし、役員の地位・役位の変更があった、経営状況が著しく悪化した、役員給与の支給額を決める際に予測できなかった事由があれば、役員給与の減額後も損金算入が認められる場合があります。この場合は、その事由が「やむを得ない事情」かどうかによって判断されます。
 役員給与の支給額を決める際には、前年実績、利益計画、借入元本返済を踏まえ、よく検討したうえで、役員給与の額を決めなければなりません。


(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方には「事務所通信」を送らせていただきます)

  事務所通信8月号要約版 

特例事業承継税制が適用できるかどうかのチェックポイント

 利用しやすくなり関心の高い特例事業承継税制(特例税制)ですが、適用には、先代経営者、後継者、会社に一定の要件があるため注意が必要です。先代経営者は、相続等の開始前までに、代表者であったこと、被相続人と同族関係者で議決権株式総数の50%超を保有し、かつ筆頭株主であったことなどが要件で、後継者は、株式の贈与までに代表者であること、役員就任後3年を経過していること、同族関係者のなかで、議決権数の最上位者であること、などが必要です。会社は、資産管理会社(一定のものを除く)、医療法人、社会福祉法人、風俗営業会社などは適用対象外になるため注意が必要です。


月次決算データは経営者と社員、金融機関、会計事務所との共通語

 月次決算は、毎月の業績をいち早く掴み、経営に役立てるものですが、月次決算データを経営者だけが利用するのではなく、経営者と社員、金融機関、会計事務所と間で業績を見るための共通語として経営に活かしましょう。
 月次決算データを共有化することで、経営者と社員が同じ方向を向いて営業活動に取り組むことができます。金融機関に対しては、経営状況を経営者が説明することで、金融機関からの信頼が高まります。会計事務所との間で、月次決算データを対話ツールとして活用し、的確なアドバイスを受けましょう。
 月次決算データを共通語として経営に生かすには、月次決算の早期化と精度の向上が必要になります。そのためには、売上、仕入れを早期に掴む仕組みづくりや経費の月割計上、概算計上などについて、自社に合った経理処理を当事務所とともに検討しましょう。


労務トラブルを防ぐためのルールブックはありますか?

 「働き方改革関連法」は、経営者にとってみれば、労働規制の強化といえます。しかし、中小企業では、労働法規の理解が不十分のまま、雇用についての最低限のルールすら守られていない例が多くあります。
 近年、従業員の労働法への意識が高まっており、在職中は何事もなくても、退職後に訴えを起こされる例も決して少なくありません。まずは、会社のルールブックとして、作成義務の有無に関わらず、就業規則を整備しましょう。就業規則は、労務トラブル防止に役立つほか、社員が安心して働けるという効果があります。


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  事務所通信7月号要約版 

 特例事業承継税制を活用しよう

 要件等が大幅に緩和され、特例事業承継税制(特例税制)が大変利用しやすくなりました。特に、対象株式数の上限が撤廃され、猶予対象の評価割合が贈与、相続ともに100%となったことで、後継者の税負担がゼロになりました。また、雇用確保要件も実質的に撤廃され、要件を満たさなくなっても、認定経営革新等支援機関の意見等があれば猶予が継続されます。
 この特例税制の適用を受けるには、平成35年3月末までに、認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けて「特例承継計画」を作成し、都道府県に提出する必要があります。


知らなかったではすまない“保証”の注意点

 中小企業経営者は、融資その他の取引において、保証(連帯保証)を行っている例が少なくありません。経営者の保証(保証債務)は、経営者の死亡によって残された家族(相続人)に承継されます。生前に、家族に知らせないまま保証人になっていたことから、突然、家族に多額の債務の弁済が求められ、財産を失ってしまう例が少なからずあります。
 他社や知人・友人の債務を保証している事実があるなら、家族がその事実を確認できるようにしておきましょう。
 また、2020年4月施行の改正民法では、安易に知人の保証人になることがないよう公正証書の作成が義務付けられるなど、保証人保護の規定が設けれています。


日々の記帳と発生主義の徹底
 
 経営者が、業績をいち早くつかみ、正しい経営判断をするためには、月次決算が不可欠ですが、日々の取引の会計帳簿への記入や仕訳データを入力する目的は、まず、毎日のお金や取引の流れを、もれなく、ありのままに記録することにあります。そして、複式簿記のルールに則って、正しく計算された月次決算資料や決算書は、的確な経営判断の基礎になります。
 月次決算の基本は、日々の正しい記帳(記録と計算)と、現金管理、証憑書類の整理保存、発生主義による会計処理にあります。


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  事務所通信6月号要約版 

 役員給与の決め方と税務上の注意


 税務上、損金にできる役員給与の改定は、基本的に、事業年度開始から3か月以内です。
 経営者は、自身の役員給与の額を決める際、主観ではなく、あくまでも前年実績、当期の利益計画や業績見込み、1年以内の借入金の返済額などを基礎にして、経営の現状を客観的に捉えて決めましょう。事前確定届出給与を届けた場合は、実際の支給時期と支給額が、事前の届出内容と完全に一致していなければ、損金算入が認められませんので、注意しましょう。


 経営者が知っておきたい労働保険の基礎知識

 従業員の業務中や通勤途中における労働災害(労災)については、労災保険から療養費や休業補償が行われます。労災保険か健康保険のどちらが適用されるかが問題となるのは、通勤途中に、本来のルートを外れて、どこかに立ち寄った際に、けが等をした場合です。保育所への送迎や道路工事・渋滞による迂回、日用品の購入、通院、親族の介護などは、通勤途中として労災が適用されます。
 本来、経営者は労災に加入できませんが、一定の企業規模以下の中小企業の経営者(その家族従業員・役員を含む)であれば、労災保険へ加入できる特別加入制度があります。


 土地・家屋の固定資産税はこう決まる!


 平成30年度は、3年に一度の土地・家屋の固定資産税評価額の評価替えが行われ、固定資産税の税額が見直されます。
 家屋については、同じ家屋を再度新築した場合の費用と、築年数に応じた損耗を考慮して評価されます。建築費の上昇によって評価前の評価額を上回ることになる場合は、税負担を考慮して、評価前の評価額に据え置く措置がとられています。そのため、家屋については、年々古くなっても、一般に固定資産税の税額が変わりません。
 住宅やアパートの敷地として利用されている「住宅用地」は、税負担を軽減する目的から、その面積の広さによって固定資産税を減額する措置がとられています。


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  事務所通信5月号要約版 

 中小企業経営を応援する最新の補助金等

 中小企業を応援する様々な補助金が用意されています。主なものとして、業務効率や売上のアップを図るためにITツールを導入する場合の「IT導入補助金」、事業承継をきっかけに経営革新や事業転換を行う際の費用を補助する「事業承継補助金」、新サービスの開発や生産プロセス改善のための設備投資費用などを補助する「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」、経営計画に基づく販路開拓を支援する「小規模事業者持続化補助金」などがあります。
 また、税理士等の経営革新等認定支援機関の助言を受けて早期経営改善計画を作成する場合の費用を補助する「早期経営改善計画策定支援事業」も引き続き実施されています。


 個人住民税の特別徴収と「決定通知書」の見方

 5月に入ると、住民税の特別徴収税額の決定通知書が送られてきます。決定通知書が届いたら、記載内容や税額を確認し、決定通知書(従業員用)を従業員に渡しましょう。
 従業員の給与から天引きした住民税は、翌月10日までに各市長村に納付します。納付が遅れると延滞金が加算されます。従業員が常時10人未満の場合、市町村への申請によって、年2回の納付が認められます。
 住民税の決定通知書(従業員用)からは、所得に対して原則10%の税率が課税される「所得割」と、一律に課税(原則年額5,000円)される「均等割」、ふるさと納税(寄付金控除)などの住民税額からの控除分、毎月の給与から天引きされる「納付額」がわかります。


 有給休暇についての素朴な疑問

 繁忙期に従業員から有給休暇(有休)の取得申請があった場合、有休を希望通りに与えることが原則です。しかし、「同じ時季に多くの従業員が休む。代替要員の配置が難しい」など事業の正常な運営が妨げられる場合、経営者は取得時季の変更を求めることができますが、単に「日常的に忙しい。人手が足りない」という理由では、時季の変更を求めることはできません。事前の取得申請を求めることができるため、あらかじめ他の従業員との調整をはかるようにしましょう。
 また、一斉付与、交替制付与、個人別付与などの方法で、あらかじめ有休の取得日を割り振る計画的付与制度なども活用して、有休の取得促進をはかりましょう。


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  事務所通信4月号要約版 

 自社の概要をわかりやすく伝える「ビジネスモデル俯瞰図」を作る

 融資申込や経営計画の提出にあたり、金融機関などの外部者に自社の概要を説明する機会が増えています。その際、事業内容、理念・ビジョン、役員構成、従業員数、沿革などの文章情報だけでなく、ビジネスの商流・物流・資金の流れを図式で表した「ビジネスモデル俯瞰図」を作成すると相手に事業の全体像が一目で伝えやすくなります。ビジネス全体を俯瞰することで、自社の現状と課題を明らかにすることができるため、経営計画の策定や改善策を立てる一助にもなります。


出産・育児による離職を防ぐ働きやすい職場づくり

 出産を控えた女性従業員から請求があれば会社は産前休業を与える必要があり、産後については、原則として8週間は就業させることができません。また、原則として、育児休暇の申請を受ければ、子が1歳になるまで育児休業を与える必要があります。
 産前・産後、育児休業期間中は、従業員本人と会社負担の保険料が免除されるほか、従業員には、出産手当金や出産育児一時金、育児休業給付の支給などの制度もあります。経験豊富で優秀な人材の離職を防ぐためにも、情報の周知や社内体制を見直してはいかがでしょうか。


経理・総務担当必見! 従業員の異動に伴う税務・労務の手続

 4月は、新入社員の入社や従業員の扶養家族の異動がある時期です。家族に就職などの異動があった従業員や新入社員からは「扶養控除等(異動)申告書」の提出を受けるとともに、新入社員には、申告書にマイナンバーを記載してもらいましょう。
 新入社員が入社した場合、入社日から5日以内に健康保険・厚生年金保険の資格取得の届出、入社日の翌月10日までに雇用保険の資格取得の届出が必要です。


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  事務所通信3月号要約版 

 経営者保証のない融資が広がる

 中小企業融資において、経営者の9割が個人保証を提供し、うち半数以上がその解除を望んでいます。「経営者保証に関するガイドライン」では、経営者が会社の資金や資産について公私の区別を明確にすること、会社の資産・収益力によって借金返済が可能であると判断できること、金融機関へ財務情報を提供すること、など一定の経営状況を満たせば、個人保証のない融資や既存の保証の解除などの可能性があるとしています。健全経営に取り組み、個人保証のない安心感のある経営をめざしましょう。


会社と役員の資産・経理を明確に区分する

 中小企業では、会社の資産と役員個人の資産との区別が曖昧になりがちです。
会社と役員との間の金銭や不動産の貸し借りは、通常の取引と同様に、契約書の作成や、利息や家賃の支払いが必要な場合があります。事業に関係のない役員の個人的な支出は、税務上、役員給与となり損金への算入が認められません。金融機関からも厳しい眼で見られます。
本業の業績が良くても、役員の私的流用が多いと資金繰りが苦しくなり、経営に悪影響を及ぼすだけでなく、社内全体のモラルの低下を招きます。自社の状況を見直しましょう。


再点検!売掛金管理と回収の5つのポイント

 自社の「売掛金管理と回収の5つのポイント」を押さえ、売掛金の不良債権化や貸し倒れのリスクを小さくするように再点検してみましょう。
 1.得意先との情報共有を図り、支払期日などの認識を一致させる。
 2.営業担当者には、売掛金未回収の正当な理由を報告させる。
 3.回収遅れの原因となる請求書の発行遅れや誤請求に注意する。
 4.債権の消滅時効に注意して、内容証明郵便による請求などの手段を検討する。
 5.最終手段として、法的手続(支払督促、少額訴訟など)を検討する。


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  事務所通信2月号要約版 

成り行き経営からの脱却~黒字化のための経営計画作成ステップ~

経済が右肩上がりの時代は、資産の含み益を担保にした融資や、資産売却による借入金返済が可能でした。しかし、経済が低成長の時代に入った今、これからは、黒字を重ねて利益を内部留保し、経営基盤を安定させなければ、企業の継続が難しくなっています。
会社を継続させるために、最低限必要な売上高と利益を確保するための経営計画を作成し、目標に向かって経営することが必要になっています。
黒字化を目指した経営計画の作成を通じて、自社の経営課題を明らかにして、その改善策を図ることが成り行き経営からの脱却になります。


身の丈にあった借入れとは?

設備資金の借入れにあたっては、毎年の返済額を「減価償却費の範囲内」に収める返済計画を立てましょう。減価償却費は、資金流出のない費用であるため、この範囲に返済額が収まれば資金繰りが楽になり、利益を内部留保として蓄積することができます。このような返済計画での借入れが困難であれば、「減価償却費と税引後利益の合計の範囲内」に収めるようにしましょう。
「TKC経営指標(BAST)」の「借入金対月商倍率(月)」「自己資本比率(%)」の数値から、赤字企業ほど、借入金が多く、自己資本の割合が低い傾向にあることがわかります。自社の数値と比べてみましょう。


所得税の確定申告のもれに注意!

個人事業者や不動産オーナー、給与以外の収入がある人などは所得税の確定申告が必要です。以下のような申告もれがないか、確認しましょう。
○満期保険金・解約返戻金の受け取りは、一時所得として申告が必要な場合があります。
○ふるさと納税の返礼品や懸賞金、競馬の払戻金なども一時所得です。満期保険金などとの合計で50万円を超えると、申告が必要になることがあります。
○医療費控除額は、平成29年中に支払った医療費の総額から、保険会社からの保険金や高額療養費などによる補てん金額を差し引いて計算します。
○外国為替証拠金取引による利益は、雑所得として申告が必要です。
○ふるさと納税のワンストップ特例は、確定申告をすると無効になります。確定申告において、あらためて寄付金控除(ふるさと納税)の申告が必要になります。


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  事務所通信1月号要約版 

経営理念を身近に、日々の行動につなげる1年にしよう

 自社に経営理念はありますか。その経営理念は、社内に浸透し、活かされていますか。せっかくの経営理念を活かせていない例が少なくありません。一方で、経営理念の実践のために様々な取り組みをしている企業も多くあります。
 本誌では、事例として「理念、年度方針、数値目標などを記した理念手帳の全社員への配付と社内勉強会を通じて、経営理念の実践に取り組む美容院」と「経営理念を文化として、個々の業務の中に根づかせるために具体的な行動指針を定め、実践している歯科医院」を紹介しています。
 新年を迎え、事例を参考に自社の経営理念の浸透について考えてみましょう。


平成30年1月からの配偶者控除等の改正の影響は?

 平成30年1月から、配偶者控除と配偶者特別控除が改正されます。例えば、夫がサラリーマンで妻が夫の扶養の範囲で働く場合、以下の点に注意が必要です。
○妻の収入が年103万円を超えると、配偶者控除に代わって適用できる配偶者特別控除が大幅に拡大され、妻の収入が年150万円以下(改正前:105万円未満)であれば、最高で38万円の所得控除が受けられるようになりました。
○配偶者控除・配偶者特別控除に所得制限が設けられ、夫の収入が年1,120万円を超えると控除額が逓減し、年1,220万円を超えると控除を適用できなくなりました。

 改正によって、制度が複雑になりましたが、夫の年収(給与収入のみ)が年1,120万円以下であれば、従来と変わりません。本誌では、配偶者控除等の額を確認できるチャート図を掲載しています。


業績改善の打ち手~自己点検チェックリスト~

 どうして赤字経営ではだめなのでしょうか。これまでは、赤字続きで資金不足に陥っても、銀行からの借入れや社長の個人資産でカバーすることができました。しかし、これからは、黒字でなければ、借入れも難しくなり、個人資産もやがて枯渇します。状況は変わり、黒字でなければ、会社の存続が難しい時代になっています。
業績改善に取り組み、黒字化をめざしましょう。本誌では、限界利益率の改善、固定費の削減、売上アップの視点から、改善策のヒントをチェックリスト形式で掲載しています。


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  事務所通信12月号要約版 

期中(月次・四半期等)の業績検討の重要性 ~自社の足腰を鍛え、金融機関からの信頼を得る~

 経営計画(予算)を立てて、業績目標を明確にして営業活動を行いますが、決算直前になって目標と予算との大きな差異に気付いても、もはや挽回することはできません。目標達成のためには、期中に業績検討を行って、予算と実績の差異に気付き、その原因を把握し、対策を打つことです。そのため、期中に計画と実績の相違を検証するための業績管理の仕組みをつくり、実践しましょう。さらに、その情報を金融機関へ積極的に提供する企業が高く評価される時代が来ています。本誌では、期中の業績管理によって経営改善に取り組んだ企業の事例を紹介しています。


小さな単位で業績を見てみよう

 業績管理は、部門別に行うことで、課題がより明確になります。部門別業績管理は、決して難しくはありません。部署や部門といった名称にとらわれず、例えば、商品群別や営業担当者別、営業エリア・地域別、得意先別など、社長自身が知りたい「小さな単位」に分けてみましょう。部門別で業績を見ると、「何が自社の収益に貢献しているのか。何が損失を出しているのか」について、社長の感覚ではなく、数値で客観的に把握することができます。月次決算と併せて、部門別で業績を把握し、利益率やコスト、採算性が明らかになれば、業績向上のための対策がそれだけ的確になります。また、従業員に利益やコストへの意識、目標達成への責任感が生まれます。


平成30年分の「扶養控除等(異動)申告書」の記載が変わります

 平成30年からの配偶者控除と配偶者特別控除の大幅な改正に伴い、平成30年分の「扶養控除等(異動)申告書」の様式が変更され、従来の「A 控除対象配偶者」欄が「A 源泉控除対象配偶者」へと名称が変わりました。本欄の記載対象は、次の条件を満たす場合です。従来との相違は、納税者本人に所得制限が設けられたこと、配偶者の年収が103万円を超えても150万円以下であれば記載対象になることです。
①納税者本人(配偶者控除を受ける人)の平成30年中の所得の見積額が900万円以下(給与収入のみの場合、年収1,120万円以下)
②納税者本人と生計を一にする配偶者の平成30年中の所得の見積額が85万円以下(給与収入のみの場合、年収150万円以下)
※青色事業専従者として給与支払いを受ける人や白色事業専従者でないこと


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  事務所通信11月号要約版 

平成29年のパート収入と税金・社会保険の扶養の範囲

 平成29年のパートの収入と税金と配偶者控除等については、来年(平成30年)からの配偶者控除等の改正と混同しないように注意しましょう(今年は従来通りです)。妻の収入が103万円以下であれば、妻に所得税は課税されず、夫は配偶者控除(38万円)を受けることができます。妻の収入が103万円を超えても、夫は配偶者特別控除(3万円~38万円)を受けられる場合があります。本誌では、配偶者控除等と社会保険の扶養の範囲を一覧化しています。


事業承継は社長の仕事

 今後5年で、経営者の30万人以上が70歳以上になるとされ、多くの企業が事業承継のタイミングを迎えます。中小企業庁においても、今後5年をめどに事業承継を集中的に支援するとしています。
 事業承継は、重要な経営課題ですが、明確な期限もなく、差し迫った理由がないと、なかなか進まないといわれています。
しかし、事業承継には5~10年という長い準備が必要です。後継者が決まっていれば「育成」、後継者不在であれば「第三者への譲渡」などを検討しなければなりません。


本格化まであと半年! パート・契約社員の「無期雇用への転換」とは?

 有期雇用契約のパート・契約社員の雇用期間が5年を経過すると、労働者から無期雇用への転換の申し出ができる「無期雇用への転換ルール」が、施行から5年を経過する来年4月から本格化します。
 経営者に正しく理解してほしい点は、「無期雇用への転換は、正社員にすることではない」「単に有期から無期雇用に転換するのみであれば、賃金などの労働条件を変更する必要はない」「無期雇用の場合、解雇については正社員と同様の扱いになる」ことです。


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  事務所通信10月号要約版 

早期経営改善計画とは

 「早期経営改善計画策定支援」は、「資金繰りが不安定」「売上減少の要因が不明」「自社の状況を客観的に把握したい」といった中小企業の取り組みを支援する国の事業です。税理士等の専門家(認定支援機関)が、計画策定の支援、その後1年間のフォローアップを行います。
 計画書の作成を通じて、経営課題の発見・分析ができ、資金繰りの把握が容易になります。計画書を金融機関に提出し、達成状況を一緒に確認することで、関係強化をはかる機会にもなります。


増える「ふるさと納税」~ワンストップ特例と確定申告による控除はどう違う~

 ふるさと納税は、平成27年から、控除限度額の拡大や確定申告が不要なワンストップ特例制度が始まったこともあって、昨年は、寄附した人が225万人と前年から倍増しました。
 ワンストップ特例の利用条件に当てはまる人にとっては、確定申告とワンストップ特例の“どちらの方法が税金は得なの?”といった疑問があるようですが、どちらも控除される税額は同等で、控除の方法が異なるだけです。ワンストップ特例は、控除税額の全額が翌年度の住民税からの控除になります(還付はありません)。


クレジット加盟店に安全対策を求める改正割賦販売法

 クレジットカード情報の漏えいや偽造カードによる不正利用の被害が増加しています。昨年12月に改正割賦販売法が成立し、クレジットカード加盟店(小売店等)には、カード情報の非保持化やカード決済端末のIC対応化などのセキュリティ対策が義務づけられました(平成30年6月施行)。小売店や飲食店などでは、カード決算端末のIC対応化のため、端末の追加、入れ替え、システム更新などが必要になります。ネット通販業では、「なりすまし」による不正防止のため、パスワードやセキュリティコードによる本人確認の仕組みが義務づけられます。


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  事務所通信9月号要約版 

決算書の信頼性を高める中小会計要領

 「中小会計要領」(中小企業の会計に関する基本要領)は、中小企業のための会計の共通ルールであり、多くの中小企業がこれに準拠して決算書を作成しています。共通ルールで作成された決算書であれば、金融機関は、融資先企業の客観的な評価を行うことができるうえ、自社への信頼性も高まります。社長の経営判断においても、前月比較、前年同月比較、他社比較などが、より精度の高い数値で分析できるため、経営判断が的確になります。


面倒な相続手続を簡素化「法定相続情報証明制度」が始まりました。

 相続が発生すると、不動産や銀行口座の名義変更などの相続手続を行う必要がありますが、登記所や金融機関に相続関係を証明するための戸籍関係書類の束を、その都度提出する必要があるなど手続が大変面倒でした。
 「法定相続情報証明制度」は、戸籍関係書類の束に代えて、法務局が発行する「法定相続人が誰か」を証明した「法定相続情報一覧図の写し」を利用することで、相続手続の負担を軽減するための制度です。(5月29日運用開始)


不正が起こりにくい仕組みをつくろう

 従業員数が少ない企業では、「日常業務が1人の従業員に集中」「仕入から販売までの一連の事務処理が1人の担当者」など、業務の流れの中で、他者チェックができない環境が多く、不正やミスが発見されないことがあります。
 不正やミスを未然に防止し、早期に発見するためには、社内の牽制機能を働かせることが理想ですが、難しい場合には、例えば、銀行取引、口座新設は必ず社長や上司の承認を得ること、得意先・仕入先と新たに取引する際は、担当者以外の者がチェックするなど、重要な業務については社内ルールを明確にして、定期・臨時のチェックを徹底しましょう。


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  事務所通信8月号要約版 

自社の健康診断ツール「ローカルベンチマーク」って何?

 金融庁は、金融機関に対して、「ローカルベンチマーク」(ロカベン)によって、融資先の経営者と対話しながら、経営改善や生産性向上を積極的に支援することを求めています。
 ロカベンとは、経済産業省が策定した企業の経営診断ツールで、売上増加率、営業利益率、労働生産性などの財務情報と、ビジョン、製品・サービスの内容、技術力・販売力などの非財務情報をもとに、経営者と金融機関や税理士などの認定支援機関等が対話しながら、将来の可能性を評価し、今後の方向性を導き出すものです。ロカベンを利用することで、経営者と金融機関等が同じ目線で、経営改善を進めることが期待されています。また、ロカベン帳表は、TKCローカルベンチマーク・クラウド」から作成可能です。


ITを活用した「新サービスの開発」にも税額控除を適用!

 製品の製造や技術の改良・発明等にかかった試験研究費の一定額を法人税額から控除できる研究開発税制は、これまで製造業を中心とした制度でした。平成29年4月から、IoT(モノのインターネット)やAI、ビッグデータ等を活用した「新たなサ-ビスの開発」にも適用対象が広がり、ITや情報サービス系の企業でも税制の優遇を受けやすくなりました。
 また、中小企業の研究開発投資意欲を高めるインセンティブとして、試験研究費の増加率が5%を超える場合には、最大で17%まで控除割合が上乗せされました(2年間の時限措置)。


残業時間と残業代の計算方法を正しく理解しよう!

 残業時間と残業代については、誤解が多いようです。法定労働時間「1週間につき40時間、1日につき8時間まで」を超えると残業になり、時給単価に25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。夜22時から翌朝5時までの時間帯の残業については、50%以上の割増賃金になります。法定労働時間内であっても、会社が決めた所定労働時間(例:1日7時間就業など)を超えると残業になり、残業代を支払う必要があります。ただし、法定労働時間内の残業については、賃金の割増は不要です。
 なお、残業代の時給単価の計算には、家族手当や通勤手当、住宅手当などを含める必要はありません。


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  事務所通信7月号要約版 

“利益向上作戦”4つの打ち手を考える

 利益を向上させるには、「①固定費の削減」「②販売数量の増加」「③売上原価の削減」「④販売価格を上げる」の4つの打ち手があります。どの打ち手が最も利益を増加させるか、変動損益計算書を活用してシミュレーションしてみましょう。
 いずれの打ち手も、利益の向上につながりますが、固定費や変動費の削減だけでは限界があり、販売数量を増やすための安易な値引きは、大きく利益を減らす結果になります。実際には、4つの打ち手を組み合わせて考えることになりますが、最も利益を増加させるのは「販売価格を上げる」です。変動損益計算書の考え方を販売戦略に活かすことで、経営力を高めることができます。


契約書の印紙税はここに注意!

 不動産売買、工事請負、金銭消費貸借などの契約書は、印紙税法上の課税文書として、記載金額に応じた税額分の収入印紙を貼らなければなりません。税務調査の際、貼り忘れや金額不足などを指摘されないよう、注意しましょう。
 文書の表題に「○○契約書」といった記載がなくても、文書の記載内容が契約の成立等を証明するものであれば、課税文書になります。印紙税は、文書課税であるため、契約書を2通以上作成した場合、そのすべてに印紙を貼る必要があります。ただし、単に契約書の控えとしてコピーしたときは、コピーした文書に印紙を貼る必要はありません。
 最近は、紙の契約書を作成せず、電子メールでやり取りするケースが増えていますが、このような電子文書は課税文書に該当せず、印紙税はかかりません。


子育て・介護と仕事との両立を支援する助成金の活用

 介護離職者は年間10万人を超え、介護離職予備軍ともいえる「隠れ介護者」(家族の介護を職場に隠している)は1,300万人と推定され、今後、介護離職者は急増することが予想されています。子育て(出産・育児)のために離職した女性の25%は「仕事との両立が難しく、退職せざるを得なかった」といいます。
 育児・介護休業法では、企業に対して、従業員が離職することなく、子育て・介護と仕事との両立ができる介護休暇制度、育休制度などの環境整備を求めていますが、なかなか進んでいないのが実情です。介護・育休制度の整備にあたっては、両立等支援助成金が受給できないか検討してみましょう。
 両立等支援助成金は、介護休業を利用しやすくした場合(57万円)や、男性に育児休業を取得させた場合(57万円)、育児休業の取得と職場復帰をさせた場合(それぞれ28万5千円)などに支給されます。

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方には「事務所通信」を送らせていただきます)

  事務所通信6月号要約版 

設備投資減税が拡大されました ~中小企業経営強化税制の創設~

 平成29年度税制改正において「中小企業経営強化税制」が創設されました。これは、生産等に係る設備投資を対象に、経営力向上計画の策定・認定を受けることで、取得価額の即時償却又は10%税額控除ができる制度です。
新税制では、税優遇の対象設備として「生産性向上設備(A類型)」「収益力強化設備(B類型)」が設けられ、特に「収益力強化設備(B類型)」については、生産性向上や販売開始日の要件がなく、さらに対象設備が生産性等に係るすべての器具備品・建物附属設備にまで拡大され、より多くの業種で利用できるようになっています。なお、平成29年4月1日以降の設備の取得・共用から利用が可能です。


決算後の注意点 ~決算報告、帳簿書類の保存、申告・納付など~

 決算が終了し、法人税の申告・納税を終えても、金融機関への情報開示、帳簿書類の保存など、まだまだ重要なことが残っています。
 帳簿書類の保存については、法人税では原則7年間の保存義務があり、これを怠ると、青色申告の取り消し、消費税の仕入税額控除の否認など、税務上の不利益を被るおそれがあります。
 金融機関への決算報告の際には、事業計画書も持参し、今後の経営の見通しや将来の資金需要について説明しましょう。


なぜ、長時間労働が発生するのか? ~その要因把握が第一歩です~

 残業についてのアンケート調査によると、企業の約8割が「残業削減に取り組んでいる」と回答していますが、依然として削減が進まないのが実情のようです。
残業が削減できない理由を「人手不足」「業務量の多さ」など、漫然に捉えていないでしょうか。
まずは、社内の体制や社員一人ひとりの仕事について、改善すべき点を明らかにしてみましょう。社内の風土、仕組みや管理体制、仕事の進め方、季節性、業務の特性などの複数の要因が絡み合っており、それらを一つひとつ紐解きながら、改善していかなければ、なかなか削減することができません。

(以上の記事について詳細を知りたい事業者の方には「事務所通信」を送らせていただきます。)

  事務所通信5月号要約版 

決算の確定と株主総会の開催 ~決算の基本の「き」を学ぶ⑥~

 株主総会では、決算の承認、役員の選任、剰余金の配当、定期同額給与の改定、定款変更などの重要事項を決定します。役員の選任(改選)を行った場合は、必ず変更登記を行いましょう。登記を怠ると、過料の制裁があります。
総会後は、議事録の作成・保存が義務付けられています。税務調査では、定期同額給与の改定や事前確定届出給与の支給などについて、株主総会の議事録がチェックされます。
同族企業であっても、毎期、株主総会を開催して、決算内容を報告し、業績を客観的に確認することを続けることで、緊張感をもって経営に臨みましょう。


マイホームを購入・新築、リフォームするときの税制の特例

 「所得税の住宅ローン控除」「住宅取得等資金の贈与税の特例」は、消費税率の引上げ延期に伴い、措置の見直しが行われています。
住宅ローン控除は、適用期間が平成33年12月31日まで延長されています。
贈与税の特例については、適用を検討される方は注意してください。消費税率の引上げ延期に伴い、省エネ等住宅を取得する場合の非課税枠最高3,000万円(消費税率10%が適用される方)の適用が延期されています(平成31年4月~32年3月まで)。
そのほか、平成29年度税制改正では、特定の増改築等に係る税制優遇措置について、耐震改修・省エネ改修に加えて、一定の耐久性向上改修(劣化対策、維持管理・更新の容易性の確保)を減税の対象にした「長期優良住宅化リフォーム減税」が創設されました。


社員の60歳以降の働き方を考える

 現在の法令では、社員が60歳以降も引き続き雇用を希望する場合には、会社は、原則として雇用しなければなりません。60歳以降の雇用について、年金支給や高年齢雇用継続給付の活用も踏まえ、経営者と社員が話し合って、①引き続きフルタイムでの勤務、②勤務日や勤務時間を減らすなど労働条件を見直した働き方、③退職、から選択することになります。
 今後、会社側の人材確保、従業員の年金支給開始年齢の引き上げによる収入確保の問題、などから継続して働く人が増加するでしょう。会社としても、社員の合意のもと、定年延長(60歳→65歳)、継続雇用、定年廃止などの制度を整備しなければなりません。

  事務所通信4月号要約版 

決算日の前後にやるべきこと ~決算の基本の「き」を学ぶ⑤~

決算手続きの基本的な考え方は、期末における資産・負債の一切を帳簿から離れて、その実在性や網羅性を確認し、確定することにあります。
 決算日までに、滞留債権、不良債権への対処(債権放棄通知の発行)、不良在庫の処分(処分時の証拠資料の保存)、固定資産の実物と台帳の突き合わせ(売却・除却の場合は証拠資料の保存)などを行い取締役会等の承認を得ておくことも重要事項です。
貸借対照表の資産・負債の金額がもれなく確定すれば、総額主義の原則に従って、損益計算書の金額も正しく表示され、当期利益も正しく計算されます。


平成29年5月30日 すべての事業者に個人情報保護法が全面適用されます。

 平成29年5月30日から改正個人情報保護法が施行され、これまで適用免除となっていた「保有する個人情報が5,000人以下の事業者」にも適用されることになります。
 個人情報保護法では、顧客や従業員の個人情報を取り扱う事業者が守らなければならない「5つのルール」として、
①利用目的を明示して取得する
②利用目的の範囲内で利用する
③流出、漏えいさせないよう安全に保管する
④第三者への提供には、本人の同意を得る
⑤本人からの個人情報の開示や訂正、削除の要請に応じる があります。
 個人情報の流出や漏えいは自社の信用に関わり、経営にも大きな影響を与えます。個人情報の取扱いのルールを守ることは、自社の信用を守ることでもあります。


こんなときは貼る?貼らない? 領収書等の印紙税

 受取金額が5万円以上の領収書には、記載金額に応じた収入印紙を貼る必要があります。実務では、領収書の発行や代金決済の方法に様々なケースがあるため、誤解や判断に迷うケースがあるようです。
 例えば「再発行した領収書」「仮領収書」「レジから発行されるレシート」「領収書と明細書を発行するとき」「Web上で電子発行された領収書」「電子マネーによる決済」「クレジットカードによる決済」などの事例で印紙を貼る必要があるかないかを紹介しています。

  事務所通信3月号要約版 

たな卸資産の決算手続き ~決算の基本の「き」を学ぶ④~

 実地たな卸は、「財産(期末たな卸高)」と、「売上に対応した売上原価」を確定させる大切な手続きです。
期末たな卸高は、決算手続きばかりでなく、税務調査や金融機関にとっても重要です。
税務調査では、決算期末日前後の取引を中心に、在庫や締め後の売上が正しく計上され、所得もれがないかが確認されます。金融機関は、在庫過多の場合には、不良品やデッドストックが含まれていないか、水増しが行われていないかなど、その資産性の有無を確認します。


税務調査は恐くない! ~決算書・税務申告書の信頼性を高めて、安心できる経営を~

 税務調査への不安をなくし、経営に専念したいと思いませんか?
そのためには、日々、正しい記帳を行って、月次決算を実施することが不可欠です。毎月、会計事務所の巡回監査を受けた決算書をもとに作成された税務申告書は税務署からの評価も高くなります。
 さらに、税理士による書面添付(税理士法第33条の2第1項)が行われた税務申告書であれば、より評価が高まるでしょう。決算書の信頼性が高くなれば、金融機関の評価も高まります。


長時間労働を防ぐ働き方を考える ~1年単位の変形労働時間制の活用法~

 労働基準法で、労働時間は「1日8時間、1週40時間」が原則です。ところが、業務に繁閑や季節変動がある業種・業態では、この原則が馴染まない場合があります。
 そのような実情を踏まえた働き方として、1年単位の変形労働時間制があります。これは、平均で1週間40時間(年間2,085.7時間)以内に労働時間を設定し、その範囲内であれば、例えば、1日10時間働いても時間外労働にならない制度です。このような制度を上手に活用して、労働時間を管理し、残業代の抑制や長時間労働の改善に取り組むことが求められています。

  事務所通信2月号要約版 

決算までに仮払金勘定を清算する ~決算の基本の「き」を学ぶ③~

 内容が不明な取引等があった場合に、仮払金や立替金などのいわゆる仮勘定で安易に処理してしまい、そのまま精算されず残高が残っていることがよくあります。仮払金などの仮勘定は、月次の決算、遅くても期末の決算までに精算し、決算書に残高を計上しないように努めます。
 決算書に仮払金等の残高が残っていると、税務署は、それが役員や従業員への給与や貸付金ではないかという疑いの眼を持つでしょう。また、金融機関は、仮払金等に資産性がないと判断すれば、資産を減額して実態修正をするでしょう。一方で、決算書に仮勘定の残高が計上されていないことは、決算書の信頼性が高いことの証にもなります。


「配偶者控除」が見直されます

 与党の平成29年度税制改正大綱が公表されました(12月8日)。中でも、注目されるのは、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しです。
●配偶者控除の見直し案
 納税者本人が配偶者控除を受ける場合、納税者本人の合計所得金額900万円(給与の年収が1,120万円)までは、従来どおり、38万円までの配偶者控除が受けられますが、給与の年収が1,120万円を超えると控除額が26万円、13万円、0円と段階的に縮小されます。
●配偶者特別控除の見直し案
 配偶者控除の適用ラインを超えた場合に、控除対象配偶者の収入103万円~141万円の範囲で段階的に控除される配偶者特別控除が大幅に見直されます。控除対象配偶者の給与の年収が150万円以下であれば、38万円の配偶者特別控除が受けられます(ただし、配偶者控除と同様に給与所得によって控除額は段階的に縮小されます)。


週40時間制の基本と働き方

 政府において働き方改革の議論が進められており、その狙いの一つに長時間労働の抑制等があります。
 中小企業における働き方改革とは、まずは、労働時間や残業時間についての労働法規を正しく理解して、経営者と従業員が協力して、労働時間のあり方を見直し、自社の特徴にあった(変形労働時間制やパート従業員の活用などを含めた)働き方を考えていくことにあります。


  事務所通信1月号要約版 

 自分(自社)のユニークネス(強み)の発見

元巨人軍の桑田真澄投手は、中学時代はコントロールの良さが強みでしたが、高校野球では通用せず、球拾いの毎日だったそうです。桑田投手は、自分の強みは何かを冷静に分析し、投手としてずば抜けた力はないが、野球の基本である打つ、守る、走る、(配球や癖を)考える、などの一つひとつの力に磨きをかけて、それらの力を総合力として生かすことを考えました。その後の活躍はご承知のとおりです。
一流の強みはなくても、複数の準一流を磨いて総合力を上げるという考え方は、中小企業の経営のヒントになります。


平成28年分の法定調書からマイナンバーの記載が必要です

平成28年分の法定調書(支払調書や源泉徴収票など)と市区町村へ提出する給与支払報告書の提出期限は、1月31日(火)です。今回の提出から、原則として、マイナンバーの記載が必要です。

●給与支払いに関係する法定調書と給与支払報告書のマイナンバーの記載の注意点
 ①源泉徴収票等へのマイナンバー記載には猶予期間はありません。
 ②給与支払報告書は平成28年分からマイナンバーの記載が必要です。
 ③中途退職者の源泉徴収票にもマイナンバーの記載が必要です。
 ④受給者に交付する源泉徴収票へのマイナンバーの記載は不要です。

●外部への報酬等の支払いに関係する法定調書のマイナンバーの記載の注意点
 ①外部への報酬等の支払先からマイナンバーの提供を受けます。
 ②マイナンバー等の提供を受ける際には本人確認が必要です。


決算の基本の「き」を学ぶ② ~ 貸借対照表の残高を確定する ~

決算手続きには、貸借対照表の勘定科目を確認し、残高を確定するという重要な作業があります。

 ①実地たな卸や残高証明書によって、資産や負債が実在しているか、金額は正しいかを確認し、残高を確定します。
 ②貸借対照表上の資産・負債は、営業循環基準や1年基準によって、流動・固定に分類します。
 ③各会計期間の損益計算を正しく行うため、翌期以降の収益や費用とする項目を前払費用などの勘定科目によって貸借対照表に計上します。

 正しい決算書から経営状況を把握し、明日からの経営に役立てましょう。

営業循環基準… 資金の循環に着目し、営業活動から生じる資産(たな卸資産、売掛金、受取手形)と負債(買掛金、支払手形)は、保有期間の長短にかかわらず、すべて流動資産、流動負債とします。

1年基準… 期首から1年以内に現金化される資産(流動資産)と1年を超える資産(固定資産)に分類し、1年以内に支払期限が到来する負債(流動負債)と1年を超える負債(固定負債)に分類します。  

事務所通信12月号要約版

決算の基本の「き」を学ぶ ~損益計算書作成の4つの原則~

会社が自社の現状を知るためには会計が必要です。そして決算を行う(決算書を作成する)ことで、数値を自社で利用したり、金融機関など外部へ公開したり、税務申告に役立てます。決算書は正しいルールに従った会計処理に基づいて作成されることで、正しい経営判断ができ、金融機関等から信頼性のある決算書として評価されます。
損益計算書は、会社の1年間の儲けを表すもので、その作成にあたっては4つの大きな原則があります。
 ①発生主義の原則   …収益と費用は、現金の収支に関係なく、発生した事実に基づいて処理します。
 ②総額主義の原則   …費用と収益は、それぞれ総額で記載します。
 ③費用収益対応の原則 …費用と収益は、その発生源泉に分類して、相互に関連のある費用と収益を対応させて 表示します。
 ④実現主義の原則   …収益は、販売の事実があり、対価として現金や売掛金などの貨幣資産を受領した事実があったときに認識します。
これらの原則に基づいて損益計算書が作成されることで、勘定科目ごとに集計された収益と費用を表示し、その差額である利益をいくら獲得したかを確認できるのです。


扶養控除等申告書に漏れやミスがないか、ここをチェック!!

年末調整事務において、従業員から「扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらいますが、記載内容の漏れや間違いがよくある箇所があります。経理担当者は次の点をよく確認しましょう。
 ①マイナンバーが漏れなく記載されているか。
 ②扶養親族の記載漏れ、間違いはないか。
 ③同居老親等の記載漏れ、間違いはないか。
 ④「所得の見積額」欄には、収入金額ではなく「所得」金額が記載されているか。
 ⑤障害者控除・寡婦(夫)控除などを受ける場合、記載事項が記載されているか。

 ※平成28年分の扶養控除等(異動)申告書にマイナンバーを記載して提出してもらっている場合、平成29年分の扶養控除等(異動)申告書で、改めてマイナンバーの記載を要するか否かについて確認しておきましょう。

印紙税の基礎知識 ~貼り忘れ等に注意~

飲食業、宿泊業や建設業のように、領収書や契約書など収入印紙を貼らなければならない文書が多い業種では、税務調査の際、印紙の貼付の誤りや漏れ等を指摘されることがよくあります。
 注意① 印紙を貼らなければならない文書を課税文書といい、「印紙税額表」に掲げられています。
     (例:不動産譲渡契約書、金銭消費貸借契約書、請負契約書、領収書など)
 注意② 契約書、領収書など文書のタイトル(名称・呼称)ではなく、その文書の内容によって判断します。
 注意③ 印紙に消印(割印)等がなければ、印紙税を納付したことにはなりません。
 注意④ 貼り忘れ等には、過怠税が徴収されます(最高で3倍のペナルティー)。

貼付の漏れや金額の誤りなどで、余分な税金を徴収されないよう気をつけましょう。

事務所通信11月号要約版

中小会計要領は共通のモノサシ

金融機関は、融資先から提出された決算書が、どのような会計ルールに基づいて作成されたものかが不明だと、客観的な評価ができません。また、法人税申告のための決算書は、税法基準で作成されているため、その会社の真の実力や隠れたリスクが表示されない事もあります。金融機関は、「中小企業の会計に関する基本要領(中小会計要領)」という共通のモノサシによって、融資先の実態を正しく、客観的に評価しようとしています。
ただ、中小会計要領は、例えば、貸倒れ、減価償却費、引当金などにおいて税法基準とは異なる会計処理を行うことで、税法基準による決算よりも利益が減少することや、赤字になることもありますが、中小会計要領に準拠して作成された決算書は、信頼性の高いものになります。

株主総会決議事項の登記申請時に「株主リスト」が必要~平成28年10月から~

商業登記規則が改正され、次のような役員の変更登記申請等を行う際には「株主リスト」の添付が必要になりました。
 ①取締役の選任、解任など株主総会の決議が必要な事項を登記する場合
 ②組織変更など株主全員の同意が必要な事項を登記する場合
「株主リスト」には、「議決権数上位10名の株主」「議決権割合が2/3に達するまでの株主」のいずれか少ないほうの株主について、住所・氏名、株式数等の記載が必要になります。一定の要件を満たせば、法人税確定申告書「同族会社の判定に関する明細書」(別表二)を利用して「株主リスト」を作成することができます(別表二の添付が必要)。

パート収入と税金・社会保険~103万円の壁と130万円の壁~

年末が近づくと、パートで働く主婦は、自分の年収と夫の扶養家族の範囲が気になります(年収とは、給与の手取額ではなく、源泉徴収や所得控除などを行う前の金額のこと)。
 ○年収103万円以下なら夫は配偶者控除を受けられる(妻本人に所得税は課税されない)
 ○年収103万円以下でも住民税が課税される場合がある
 ○年収141万円未満であれば、夫は配偶者特別控除を受けられる
 ○年収130万円以上になると、夫の社会保険の扶養家族から外れる
 ○従業員501人以上の企業に勤務するパート社員には、106万円の壁もある
※本誌では、パート収入と所得税、住民税、社会保険の扶養家族の関係の一覧図を掲載しています。

平成28年分法定調書提出のために支払先のマイナンバーを取得しましょう

平成29年1月末が提出期限となる「平成28年支払分に係る法定調書」には、支払先のマインナンバーの記載が必要です。
ほとんどの企業は、従業員のマイナンバーについてはすでに取得しているようですが、外部の支払先のマイナンバーはまだ取得していないところが多いと思います。外部の場合、取得には、時間と手間がかかります。取得が必要な支払先を確認し、早めに準備して、郵送やEメールによる方法などによって、取得漏れのないようにしましょう。

  「以上の記事について詳細を知りたい事業者の方には事務所通信を送らせていただきます」